証明されている事実

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CGMはカテゴリーを絞ることで成立するという証明されている事実があります。

上手くいっているのはグルメ、レシピ、化粧品、旅行などなど。逆に上手くいっていない典型は、地域情報の口コミサイト。カテゴリーが絞られていないことで、コミュニティが活性化しないことが原因です。

上手くいっていないからこそ成り立たせてみたいと考えた僕は、難しいよというVCの方のアドバイスを無視して、30min.でそんな無謀なことにチャレンジしました。

結果どうなったかと言うと、地域情報の口コミサイトとしては花開かず、iPhone発売と同時期にグルメに絞ったアプリを提供することで脚光を浴び、ユーザー数を伸ばしました。

しかし、ここからの戦略がまずかった。iPhone発売から半年ほど経過して、競合のグルメアプリが登場し始めた際に、差別化を図るためにカテゴリーを増やして地域情報の口コミアプリへと変更してしまったのです。

その後、サービスの方向性が定まらず迷走を続けましたが、NAVERまとめがユーザー数を伸ばしている事実に注目し、まっぷるのようなおでかけ雑誌をWEB化するという戦略に切り替え、最終的にはいわゆるキュレーションサイトとして伸ばすことができました。

グルメ口コミサービスは食べログ、キュレーションサイトはNAVERまとめによって成立することが証明されている事実。証明されている事実をベースにチャレンジすることが、成功確率を上げるということが身に沁みた体験でした。

ネット専業不動産仲介サービス「ヘヤジンプライム」

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HEYAZINEを運営するイタンジさんが、ネット専業の不動産仲介サービス「ヘヤジンプライム」を開始されました。

ネット専業で店舗を持たないことで仲介コストを抑え、仲介手数料の完全無料を実現されています。
また、内見の際に店舗に出向く必要がなく、現地待ち合わせに対応してもらえる他、3,000円を払えば契約手続きを出張対応してもらうこともできます。

まさに、不動産紹介サービスでは無く、宅地建物取引業免許を取得した不動産仲介会社だからこそ実現できる素晴らしいサービスだと思います。
免許の取得、物件の仕入れといった不動産業界経験に加えて、Webサービスの運営ノウハウがあるからこそ実現できるサービスで、不動産業界経験者に対しても、Webサービス運営経験者に対しても参入障壁が築けているのではないでしょうか。

Webサービスも情報の掲載だけでは差別化できなくなってきているため、今後リアルなサービスそのものを提供していく動きが加速していくように思います。

飲食店の当日予約サービス「スマート予約」

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飲食店の当日予約サービス、スマート予約に注目しています。

実はTwilioの日本でのサービス開始にあたり、自分の代わりに自動音声でお店に電話予約してくれるサービスを企画し、今年の3月にテストアプリを開発して、知り合いのお店で試していました。

Skyland Venturesさん主催のMORNING SPRINT STARTUP PITCHでスマート予約のプレゼンを聞いた時に、同じようなことを考える人がいるものだと衝撃を受けた記憶があります。当時スマート予約はTwilioを利用する企画でしたが、現在は実際に電話をかけるサービスへとブラッシュアップされています。

ところで、何故スマート予約に注目しているかと言うと、宴会用のお店を探すぐるなび、美味しいお店を探す食べログでは拾いきれていない、当日の飲み会予約ニーズを満たすことができるからです。
食べログも当日予約を強化されていますが、お店探しは行う必要があり、スマート予約はお店探しのステップを無くすことで大きなアドバンテージを確保しています。

また、当日の空き状況を把握できるようになれば、ADネットワーク同様にネットワーク効果が働き、競合からリプレイスされにくい強固なビジネスモデルを構築出来るように思います。

アフィエイトASPやADネットワークのビジネスモデルは強固で、どうすればWebサービスだけでなく、リアルなサービスに適用していけるのか?を考えてきましたが、スマート予約はその1つの答えのように思います。

サービス業のEC化

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今、世界的にサービス業のEC化が進みつつあります。
背景として、ネットでモノを買えることが当たり前になったことで、サービス業もネットで注文したい人が増えているのだと思います。

海外では、AirbnbやUberなどC2C型のECが急成長しています。
既存の事業者が提供しているサービスに不満を抱えているような分野で、C2C型にすることでサービスレベルを上げ、場合によっては低価格でサービスを提供していることが伸びる要因になっています。

同じC2C型のECでも、美容師や自動車修理などの分野では、StyleSeat、YourMechanicのようにプロフェッショナルな個人が参加しています。

C2C型のECが伸びる背景としては、スマートフォンの普及に伴って、個人間の連絡が取りやすくなったことが大きいと思います。

日本はどういう状況かと言うと、まず食べログやホットペッパービューティーなどの大手ネットサービスでのネット予約導入が進んでいます。
また、ドミノピザや日本交通タクシー配車など、大手チェーンでネット予約が採用されています。

しかしながら、C2C型はあまりありません。
これは、海外と違って個人でビジネスをする商習慣が、あまり無いからだと思います。

日本でのサービス業のEC化は下記のパターンに大別できます。

1.既存事業者の比較・一括見積もりサービス
食べログ、ホットペッパービューティー、relux、ホームプロ、くらしのマーケット

2.C2C型(個人の遊休資産を活用したサービス)
弁護士ドットコム、Cyta、ストリートアカデミー

3.既存事業者の遊休資産を活用したサービス
ごちクル、ラクスル、リネット、小さなお葬式、リノコ、あきっぱ!、スペースマーケット、オープンロジ

4.自社スタッフで業務を行うリアルサービス業
bento.jp、HEYAZINE

1はSEOやソーシャルを活用した集客がポイントになります。SEOは寡占状況ですが、ソーシャルでの集客には余地があります。
2は仕業や講師を除いては日本では成立しにくいと思われるため、なかなか難しそうです。
3や4は、実質的に既存のサービス業をリプレイスしていくことになるため、今後伸びるのではないかと思います。

HEYAZINEが仲介業務を開始されていました

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管理会社・元付け会社物件の仲介サイト、HEYAZINEが10/6から仲介業務を開始されたようです。

不動産の分野に限らず店舗や施設の情報を紹介するWebサービスは飽和状態なこと、リアルな業種がネット利用者のニーズに応えられていないことから、ネット企業がリアルな業種そのものを手掛けてしまう動きがここ数年世界的に進んでいます。

例えば、UBERはタクシー業、Airbnbはホテル業、Taskrabbitは家事代行業を、余剰リソースをクラウド化して活用することで、ネット利用者のニーズにマッチしたサービスを実現しています。

賃貸物件探しにおいても、すぐ近くの物件を内見したいだけなのに店舗に出向く必要があるなど、契約以外のやり取りはネットで完結したいネット利用者のニーズを捉えられていない不動産屋さんが多く、ネット利用者に最適化したサービスを提供する価値は大きいと思われます。

物流アウトソーシングOPENLOGI(オープンロジ)

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今後EC化が進む中で物流の利用者は増えていくことは必然です。

しかしながら、単に配送だけなら宅急便へ集荷依頼をすれば問題ないですが、倉庫に在庫を保管してもらうとなると、導入に手間もコストもかかります。

そんななか、最短2分で利用開始でき、シンプルな料金体系、WEB上で全ての作業が完結する、物流のソフトウエア化とも呼べるサービス、オープンロジが立ち上がりました。

実際、私も@cosmeにて物流の導入を進めた経験がありますが、倉庫の選定や作業状況の確認などに手間がかかり、在庫量の拡大に伴うスペース確保などに予想以上にコストがかかった経験があります。

EC化という世の中の流れに乗っていること、物流は大きなマーケットであること、ソフトウェア化により改善の余地があることなど、成功する要素が高い事業だと思います。

アイミツのサービス設計

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リブセンスが提供するBtoBの一括見積もりサービス「アイミツ」のサービス設計についてご紹介します。

通常、SEOで集客を行うサービスは、掲載企業数が集まってサイトのコンテンツ量が増えるまで、なかなかSEOが効きにくいという問題があります。
そこで、成果報酬型のビジネスモデルにして掲載企業を獲得するハードルを下げたり、いわゆるSEO企業の場合には、自社で数千個のサイトを立ち上げてリンクを貼るなどの施策を行い、早い段階での検索上位を獲得していきます。

アイミツでは、これに代わる手段として、企業が提供しているサービスの情報を調査して、勝手にまとめて掲載しています。
しかし、勝手にまとめて掲載するやり方では、一括見積もりサービスを提供できないのでは?という疑問があると思います。

ここからは想像ですが、恐らく、勝手に掲載した企業に対して見積もりが発生した場合に、運営スタッフがその企業の問い合わせフォームなどに、「アイミツに見積もり依頼が入っています。返信される場合にはアイミツにご登録ください。」などとアナウンスしているように思われます。

このような運用を行うことで、ユーザーから実際に見積もりがあった会社に対して、お客さんから見積もり依頼が入っていますよという餌を武器に、効率的に営業を行うことができるのです。

これは、一括見積もりサービスだから見積もりに返信を送ってこない企業がいても不思議ではないという点をついた、非常に頭の良いやり方だと思います。

door賃貸のサービス設計

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リブセンスが運営する賃貸不動産サイト「door賃貸」のサービス設計についてご紹介します。

賃貸不動産サイトを運営する上で最も大事なことは「物件数を安定的に確保すること」です。賃貸不動産は満室になってしまうと情報の価値が無くなってしまうため、常に空室の情報を更新していく必要があります。

しかし、何の実績も無い会社が新たに賃貸不動産サイトを立ち上げても、そのサイトのためにわざわざ更新してもらうというのは難しいです。そこで、door賃貸では、不動産会社向けに大手不動産サイトへの物件情報の一括更新を支援しているASP会社と組み、ASP会社に営業代理店になってもらうことで、物件情報を確保しています。

リブセンスとしては、ASP会社に最初に営業すれば良いだけなので、非常に楽チンです。そんなに楽なら真似してしまえば良いかというとそう簡単にはいきません。リブセンスはジョブセンスのSEOで実績があったからこそ、ASP会社と組むことが出来たのです。

なお、圧倒的な集客力を背景に、Yahoo!も同様の方法で物件情報を集めています。

リノコのサービス設計

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個人的に最も注目している、リフォームサイト「リノコ」のサービス設計についてご紹介します。

リノコは「小さなお葬式」を3年間で売上30億円まで急成長させた大阪のITベンチャー、ユニクエストオンラインからスピンアウトした企業、セカイエが運営するリフォームの請負サービスです。

葬儀屋版のぐるなび「葬儀本.com」から、自分たち自身が葬儀屋の元請けを行う「小さなお葬式」にピボットすることで急成長を果たしたように、「リノコ」も「ホームプロ」など既存のリフォーム情報サイトとは違い、リフォームの元請けになることで大手リフォーム会社のリプレイスを狙っています。年間売上86億円の「ゆとりフォーム」あたりがターゲットになるかと思います。

不明瞭な価格体系、押し売り営業などが一部行われているリフォーム業界において、低価格とプル営業をセールスポイトにサービスを提供しています。

リフォーム業界は大手のリフォーム会社がショールームを提供し、施工は下請けの施工会社や職人さんが行うという形式で運営されています。つまり、ショールームの代替となる集客を実現できれば、インターネット上で完結することが可能です。

そこで、リノコでは、施工が完了した際の顧客の感想文を、地域ごとにまとめたページを用意して、地域×リフォーム部位のSEOを効かせることで、ショールームを代替しようとしていると思われます。

このサービスの一番のポイントは施工会社、職人さんのネットワーク構築にあります。葬儀屋の場合にはお店を構えていることから営業がしやすく、小さなお葬式に類似するサービスが多数存在していますが、施工会社や職人さんの情報はなかなか見つけづらく、また関係構築も容易ではないため、参入障壁が高くなっています。

リノコはインターネットを使って世の中の不満を解消するだけでなく、数年後に売上数十億円を(リフォームのナカヤマのようにプライベート商品を作れば数百億円も)狙える素晴らしいサービスだと思います。

HEYAZINEのサービス設計

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賃貸不動産サイト「HEYAZINE」のサービス設計についてご紹介します。

「HEYAZINE」は大手不動産管理会社出身の方が立ち上げた、管理会社・元付会社限定で賃貸不動産情報を掲載しているサイトです。管理会社・元付会社限定のため、物件情報が正確で、敷金・礼金などの交渉が効きやすいことが特徴です。掲載する管理会社・元付会社は、反響あたり賃料の5%の広告掲載料が発生します。

何故、管理会社・元付会社限定で情報を掲載しているかというと、サイトとしての差別化という側面とは別に、2015年の不動産のインターネット取引の解禁を見据えているように思われます。

と言うのも、インターネット取引が解禁された際には、インターネット完結型の不動産仲介会社を作ることが可能になると思われますが、物件の仕入れについては、管理会社・元付会社から仕入れることになるため、今のうちに関係を強化しておくことが重要だと思われるからです。

僕の勝手な予想ですが、インターネット取引解禁後に、「HEYAZINE」はサービス形態や料金体系を変更されるように思います。