己を出さず、自分を出す-庭師・北山安夫

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「プロフェッショナル仕事の流儀」第41回
己を出さず、自分を出す-庭師・北山安夫

中途半端では感動は生まれない
 12月、北山のもとに群馬県の禅寺から名物の桜を主役に、庭を作り替えてほしいという依頼が入った。現場に入るなり、北山は次々と庭の樹木を切り落としていく。
頭の中にあるのは、数年後に成長した木々の姿。周りの樹木と満開の桜が互いに引き立てあうよう、無駄な木々を切っていく。
そんな北山が一本の木の前で立ち止まった。樹齢100年はあると思われるサルスベリ。
桜の木にかぶさるように伸びていた。切るか、残すか。
「もの作りっていうのは決断の塊なんですよね。こうする、ああする。『まぁ良いか』では感動なんて絶対相手に与えない」と北山。躊躇(ちゅうちょ)なく桜と重なる部分を大胆に切り落とした。

トコトン悩みぬいて、大胆に決断して、高みを目指すべし。

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