アイミツのサービス設計

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リブセンスが提供するBtoBの一括見積もりサービス「アイミツ」のサービス設計についてご紹介します。

通常、SEOで集客を行うサービスは、掲載企業数が集まってサイトのコンテンツ量が増えるまで、なかなかSEOが効きにくいという問題があります。
そこで、成果報酬型のビジネスモデルにして掲載企業を獲得するハードルを下げたり、いわゆるSEO企業の場合には、自社で数千個のサイトを立ち上げてリンクを貼るなどの施策を行い、早い段階での検索上位を獲得していきます。

アイミツでは、これに代わる手段として、企業が提供しているサービスの情報を調査して、勝手にまとめて掲載しています。
しかし、勝手にまとめて掲載するやり方では、一括見積もりサービスを提供できないのでは?という疑問があると思います。

ここからは想像ですが、恐らく、勝手に掲載した企業に対して見積もりが発生した場合に、運営スタッフがその企業の問い合わせフォームなどに、「アイミツに見積もり依頼が入っています。返信される場合にはアイミツにご登録ください。」などとアナウンスしているように思われます。

このような運用を行うことで、ユーザーから実際に見積もりがあった会社に対して、お客さんから見積もり依頼が入っていますよという餌を武器に、効率的に営業を行うことができるのです。

これは、一括見積もりサービスだから見積もりに返信を送ってこない企業がいても不思議ではないという点をついた、非常に頭の良いやり方だと思います。

door賃貸のサービス設計

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リブセンスが運営する賃貸不動産サイト「door賃貸」のサービス設計についてご紹介します。

賃貸不動産サイトを運営する上で最も大事なことは「物件数を安定的に確保すること」です。賃貸不動産は満室になってしまうと情報の価値が無くなってしまうため、常に空室の情報を更新していく必要があります。

しかし、何の実績も無い会社が新たに賃貸不動産サイトを立ち上げても、そのサイトのためにわざわざ更新してもらうというのは難しいです。そこで、door賃貸では、不動産会社向けに大手不動産サイトへの物件情報の一括更新を支援しているASP会社と組み、ASP会社に営業代理店になってもらうことで、物件情報を確保しています。

リブセンスとしては、ASP会社に最初に営業すれば良いだけなので、非常に楽チンです。そんなに楽なら真似してしまえば良いかというとそう簡単にはいきません。リブセンスはジョブセンスのSEOで実績があったからこそ、ASP会社と組むことが出来たのです。

なお、圧倒的な集客力を背景に、Yahoo!も同様の方法で物件情報を集めています。

リノコのサービス設計

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個人的に最も注目している、リフォームサイト「リノコ」のサービス設計についてご紹介します。

リノコは「小さなお葬式」を3年間で売上30億円まで急成長させた大阪のITベンチャー、ユニクエストオンラインからスピンアウトした企業、セカイエが運営するリフォームの請負サービスです。

葬儀屋版のぐるなび「葬儀本.com」から、自分たち自身が葬儀屋の元請けを行う「小さなお葬式」にピボットすることで急成長を果たしたように、「リノコ」も「ホームプロ」など既存のリフォーム情報サイトとは違い、リフォームの元請けになることで大手リフォーム会社のリプレイスを狙っています。年間売上86億円の「ゆとりフォーム」あたりがターゲットになるかと思います。

不明瞭な価格体系、押し売り営業などが一部行われているリフォーム業界において、低価格とプル営業をセールスポイトにサービスを提供しています。

リフォーム業界は大手のリフォーム会社がショールームを提供し、施工は下請けの施工会社や職人さんが行うという形式で運営されています。つまり、ショールームの代替となる集客を実現できれば、インターネット上で完結することが可能です。

そこで、リノコでは、施工が完了した際の顧客の感想文を、地域ごとにまとめたページを用意して、地域×リフォーム部位のSEOを効かせることで、ショールームを代替しようとしていると思われます。

このサービスの一番のポイントは施工会社、職人さんのネットワーク構築にあります。葬儀屋の場合にはお店を構えていることから営業がしやすく、小さなお葬式に類似するサービスが多数存在していますが、施工会社や職人さんの情報はなかなか見つけづらく、また関係構築も容易ではないため、参入障壁が高くなっています。

リノコはインターネットを使って世の中の不満を解消するだけでなく、数年後に売上数十億円を(リフォームのナカヤマのようにプライベート商品を作れば数百億円も)狙える素晴らしいサービスだと思います。

HEYAZINEのサービス設計

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賃貸不動産サイト「HEYAZINE」のサービス設計についてご紹介します。

「HEYAZINE」は大手不動産管理会社出身の方が立ち上げた、管理会社・元付会社限定で賃貸不動産情報を掲載しているサイトです。管理会社・元付会社限定のため、物件情報が正確で、敷金・礼金などの交渉が効きやすいことが特徴です。掲載する管理会社・元付会社は、反響あたり賃料の5%の広告掲載料が発生します。

何故、管理会社・元付会社限定で情報を掲載しているかというと、サイトとしての差別化という側面とは別に、2015年の不動産のインターネット取引の解禁を見据えているように思われます。

と言うのも、インターネット取引が解禁された際には、インターネット完結型の不動産仲介会社を作ることが可能になると思われますが、物件の仕入れについては、管理会社・元付会社から仕入れることになるため、今のうちに関係を強化しておくことが重要だと思われるからです。

僕の勝手な予想ですが、インターネット取引解禁後に、「HEYAZINE」はサービス形態や料金体系を変更されるように思います。