プロダクトアウトで考えるのが正解かもしれない

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昨日エニグモの須田さんとランチする機会があり、10周年を迎えたBUYMAについて、今やり直すとしたら当時と同じ戦略を取るか聞いてみました。

BUYMAは当初、「カメラ付き携帯でバイヤーになれる」というコンセプトのサービスだったが中々世の中に受け入れられず、「国内では手に入らないブランドが買えるECサイト」というコンセプトに変更することで伸びていきました。

「世の中の一歩先を行ってもダメ、多くのユーザーにとってはCtoCという手段はどうでも良くて、欲しいブランドが手に入ることが大事」ということでした。

でも、僕は今までにないサービスを作るには、当時と同じ戦略を取った方が実現しやすいのではないかなと思いました。

と言うのも、今までにないサービス開発をする場合には、新しいテクノロジー(今回の例だとカメラ付き携帯の普及)をベースに考える、プロダクトアウト型の方法の方が発想しやすいからです。

そして、世の中にサービスを出した後に、マーケットのニーズにプロダクトをフィットさせていくことで、今までにないサービスを生み出せるのではないでしょうか?

思えば、スマートニュースもパーソナライズド型ニュースサイトcrowsnestとして始まり、より対象ユーザーが多い「まとめサイトも読めるYahoo!ニュース」的なコンセプトで伸びていきました。

もちろん、最初から今のBUYMAやスマートニュースを生み出せる方が素晴らしいけれど、まずはプロダクトアウトで考え、プロトタイプを開発してみるのが多くの人にとってやりやすいのかもしれないと思いました。

戦略はシンプルに

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30min.で失敗したことの一つに戦略の複雑さがあります。サービスの初期段階で口コミサービスと店舗向けサービスを同居させてしまったのです。

口コミサービスと店舗向けサービスでは当然ながらユーザーが違い、またユーザー同士の利害が一致しないことも多いため、打ち手がどっちつかずになってしまいネットワーク効果を最大限に活かすことができません。

口コミサービスに絞ったRetty、店舗向けサービスに絞ったエキテンは伸びましたが、30min.は成長して利益も出せるようになったものの、単独での上場は見込めないサービスに留まりました。

次に手掛ける事業ではシンプルな戦略で、最大限にネットワーク効果を活かせるようにしたいと心に刻んでいます。

サービス名はわかりやすく

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30min.は何て読むの?サンジュウミニッツ、サーティーミニッツなど色々と間違われました。

インターネットサービスのサービス名は、検索のしやすさやユーザー間での伝わりやすさを考えて、わかりやすく誤読されないものが良いと思います。

価格コムもCOREPRICEから価格コムに変更しましたし、食べログもtabelogから食べログに、サイタもCytaからサイタへ表記を変更しました。

ということで、次に立ち上げるサービスはわかりやすいサービス名にしようと思います。

証明されている事実

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CGMはカテゴリーを絞ることで成立するという証明されている事実があります。

上手くいっているのはグルメ、レシピ、化粧品、旅行などなど。逆に上手くいっていない典型は、地域情報の口コミサイト。カテゴリーが絞られていないことで、コミュニティが活性化しないことが原因です。

上手くいっていないからこそ成り立たせてみたいと考えた僕は、難しいよというVCの方のアドバイスを無視して、30min.でそんな無謀なことにチャレンジしました。

結果どうなったかと言うと、地域情報の口コミサイトとしては花開かず、iPhone発売と同時期にグルメに絞ったアプリを提供することで脚光を浴び、ユーザー数を伸ばしました。

しかし、ここからの戦略がまずかった。iPhone発売から半年ほど経過して、競合のグルメアプリが登場し始めた際に、差別化を図るためにカテゴリーを増やして地域情報の口コミアプリへと変更してしまったのです。

その後、サービスの方向性が定まらず迷走を続けましたが、NAVERまとめがユーザー数を伸ばしている事実に注目し、まっぷるのようなおでかけ雑誌をWEB化するという戦略に切り替え、最終的にはいわゆるキュレーションサイトとして伸ばすことができました。

グルメ口コミサービスは食べログ、キュレーションサイトはNAVERまとめによって成立することが証明されている事実。証明されている事実をベースにチャレンジすることが、成功確率を上げるということが身に沁みた体験でした。

iPhoneによってネットサービスのガラパゴス化も加速する

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iPhoneを使い倒してます。
絵文字とデコメが使えず、携帯サイトが見られないので、
人とのつながりが欲しい、日本の10代、20代にはあまり普及しないと思いますが、
世界的には、iPhoneやSymbian、Androidが主流になり、
日本の携帯は置いていかれるんだろうなと肌で感じます。
ただ、置いていかれるのは端末メーカーだけでなく、
ネットサービスも同様でしょう。

上の写真は、Flickr対応の「Klick」というアプリです。
撮影した写真や、アルバム内の写真をFlickrにアップできる他、
自分や友達、今いる場所の近くの写真などを見ることができます。
ポイントは、このアプリがFlickrの公式アプリではなく、
FlickrのAPIを利用したサードパーティー製のアプリだということです。
APIを公開することで、自分たちのリソースを裂くことなく、
勝手にサービスが強化されていくのです。
市場が大きいからこそ、名前を売るためにアプリを開発する人たちも現れる。
まさに、世界市場がターゲットのサービスだからこそ成せる業です
自前のサービスだけで勝負する日本サービスと、
サードパーティー製アプリも含めたサービス群で勝負する海外サービス、
その差がますます広がっていくことは間違いありません。
今後は、日本市場に留まらず、早期に海外展開を進め、
サービス群として勝負する戦略が必要になっていくでしょう。

チープ革命がネット業界にもたらしたもの

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今まで事業やサービスを立ち上げる際には、
営業、企画、開発スタッフが三位一体となっていた。
少なくともサービスの立ち上げには、企画、開発スタッフが必要だった。
チープ革命により、プログラムさえ書ければ
かなり低コストでサービスを立ち上げられるようになり、
結果プログラマー単独でのサービス立ち上げが目立つようになった。
とは言え、企画の素養が無ければサービスを成長させることは難しく、
一部の企画の素養があるプログラマーのサービスを除き、
なかなかこれと言ったサービスが出ていないのが現状だ。
こんなはずじゃなかった。
企画の人と組んで、多くの人に使ってもらえるサービスを作りたい、
と思っているプログラマーの方も少なからずいるはずだ。
というとで、そんな方がいらっしゃったら是非お声がけください。
インターネットサービスは、立ち上げるだけがすべてではなく、
その後の運営も非常に大事で、想像以上にお役に立てるはずだ。

ネット業界は成熟期に移行しつつある

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最近、ネット関連のニュースをチェックしていても面白い話題が少ない。
目新しいサービスよりも、既存サービスの改良や、
既存サービスを別ジャンル向けに展開するようなサービスが多いように思う。
特に日本国内ではその傾向が顕著だ。
ネット業界も成熟期に移行しつつあるのだろう。
とは言え、まだまだ他業界に比べるとチャンスが沢山あるはずだ。
でも、ユーザーの要求水準が高まっていく中で、
そういったチャンスを掴めるのは、
やりたいことに猛進できる環境の人に絞られていくように思う。

RTC Vol.25:「ネットサービス」の存在意義

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ロケーションバリューの砂川さんの話が聞きたくて、
RTC Vol.25:「ネットサービス」の存在意義に出席してきた。
ゲストや主催者が考えるインターネットの本質はこんな感じ。
砂川さん:ツール
出澤さん:情報発信
上原さん:場
保田さん:あらゆる情報の共有
出澤さんや上原さんが手がけているCGMの分野では
儲かるビジネスモデルがあまり確立されていないため、
砂川さんのインターネットはツールでしかないから
リアルビジネスの補完的な役割を担わすべきという考えに、
出澤さんや上原さんが押され気味だったように思う。
-砂川さんがハーバードMBA卒業(島田晴雄ゼミ出身)で、
話が理路整然としていてわかりやすいということも大きかったが。
ネットサービスをほとんど使っていないお前に何がわかるんだと、
出澤さんや上原さんをはじめとした、
会場のネット企業関係者は心の中で思っていたに違いない。
僕は以前ブログに書いたが、どちらの考えも正しくて、
どちらの戦略を選択するかだと考えている。
ただ、インターネットの本質を情報発信や場と考えCGMを志向する会社は、
CGMのビジネスモデルが確立するまでは大変だろう。
でも、こちらの考えの方がインターネットの可能性が広がって面白いよね。

エフルートを3位に押し上げた要因

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エフルートがiモードの公式サイトの検索ジャンルで、
ライブドアを抜いてYahoo!、Googleに続く3位になりました。
素晴らしい快挙です!
その要因は、ここにも書いてありますが、これでしょうね。
これは、検索事業への集中と、素早い提携活動によって成し遂げた、
まさに執念の結果だと思います。
いかにいいサービスでも使ってもらわないと意味が無い。
と言うことで、旅侍もこんなことを地道にやってます。

アエリア、旅行検索サイト「旅侍」でホテル・グルメ・漫画喫茶のまとめ検索を実現、携帯サイトも新設

ネットサービス企業として世界を目指すか、リアルとの融合を目指すか

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アライドアーキテクツ中村壮秀さんのブログを読んで。
日本のネット企業は大きな選択を迫られているように思います。
ネットサービス企業として世界を目指すか、
リアル(ビジネス)との融合を目指すかです。
ネットサービス企業として勝負するなら日本の市場は狭すぎます。
日本だとユーザーが獲得できず軌道に乗らないサービスも、
英語圏では軌道に乗ることも十分あり得ます。
リアル(ビジネス)との融合を目指すとなると、
その国の業界慣習などの特殊事情が絡んできます。
日本で成功したサービスをそのまま海外に展開しても、
成功は難しいでしょう。
前者の代表例がはてな、DeNA、楽天、
後者の代表例がGDO、アイスタイル、フォートラベルなどでしょう。
どちらの選択が正しいというわけではなく、
経営者の好みの問題や、既に展開している事業との兼ね合いでしょうね。
僕は前者が好みなんで、英語勉強しないとですね。