改めての所信表明

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@cosmeや30min.で生活に役立つサービスを提供してきた僕が何故VR/ARを活用したエンターテインメントに挑戦するのか、その理由を改めてまとめてみました。

・日本発で海外へ
ソニーやホンダが海外市場に果敢にチャレンジしたように、自分もいつか日本から海外へチャレンジしたいと小学生の頃から思っていました。そのためには、日本が強い領域で戦う必要があると考え、デジタルコンテンツのビジネスを選びました。

戦後世界の工場として復興し、ここ数年は新たに世界の工場を担う中国に追いつかれる中で、戦後生まれの僕たちは日本発で世界に通用する領域を見定め、チャレンジしていく責任があると感じています。医療やモノづくりなど日本が強い領域は色々ありますが、そのうちの一つがアニメやゲームの文化です。しかしながら、今やこの領域も中国からの追い上げが激しく、VR/ARのテクノロジーでレバレッジしていくことが必要だと考えています。

・クリエイティブを武器に
両親ともにアートに関わる仕事をしていた自分には、クリエイティブへの選球眼が養われています。新卒で入社した会社では、その選球眼を武器に新進気鋭のクリエイターと信頼関係を築き、仕事をしてきました。当時一緒にお仕事させて頂いた方は、その後アニメ監督や直木賞作家として活躍されています。

インターネットの仕事を始めてからはこの武器を使うことなく、仕事をしてきました。特に前の会社はクリエイティブよりも商才が必要な領域で、違う土俵で勝負していた感が否めません。今回、本来の自分の土俵であるクリエイティブの領域で戦うことに決めました。

・プロデューサーから経営者へ
新卒で入社した会社では5年目に主要事業の責任者に抜擢され、先輩を部下に従えるという状況で反発を受けながらも、絶対に成果を出すという意気込みが違うと意に介さず、実際に大きな成果を出してきました。新卒2年目にゲームを大ヒットさせることができ、3~4年目に続編で大赤字を出すという貴重な経験をさせてもらったことが、自分自身を大きく成長させました。

しかしながら、前回の起業の際にはプロデューサーに徹してしまい、自分が得意なマネージメント能力を活かせませんでした。自分は、人の才能を見抜いて登用すること、責任ある仕事をやり切ることに強みがあります。今回の起業では、プロデューサーとしてではなく、経営者として戦っていきたいと考えています。

プロダクトアウトで考えるのが正解かもしれない

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昨日エニグモの須田さんとランチする機会があり、10周年を迎えたBUYMAについて、今やり直すとしたら当時と同じ戦略を取るか聞いてみました。

BUYMAは当初、「カメラ付き携帯でバイヤーになれる」というコンセプトのサービスだったが中々世の中に受け入れられず、「国内では手に入らないブランドが買えるECサイト」というコンセプトに変更することで伸びていきました。

「世の中の一歩先を行ってもダメ、多くのユーザーにとってはCtoCという手段はどうでも良くて、欲しいブランドが手に入ることが大事」ということでした。

でも、僕は今までにないサービスを作るには、当時と同じ戦略を取った方が実現しやすいのではないかなと思いました。

と言うのも、今までにないサービス開発をする場合には、新しいテクノロジー(今回の例だとカメラ付き携帯の普及)をベースに考える、プロダクトアウト型の方法の方が発想しやすいからです。

そして、世の中にサービスを出した後に、マーケットのニーズにプロダクトをフィットさせていくことで、今までにないサービスを生み出せるのではないでしょうか?

思えば、スマートニュースもパーソナライズド型ニュースサイトcrowsnestとして始まり、より対象ユーザーが多い「まとめサイトも読めるYahoo!ニュース」的なコンセプトで伸びていきました。

もちろん、最初から今のBUYMAやスマートニュースを生み出せる方が素晴らしいけれど、まずはプロダクトアウトで考え、プロトタイプを開発してみるのが多くの人にとってやりやすいのかもしれないと思いました。

戦略はシンプルに

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30min.で失敗したことの一つに戦略の複雑さがあります。サービスの初期段階で口コミサービスと店舗向けサービスを同居させてしまったのです。

口コミサービスと店舗向けサービスでは当然ながらユーザーが違い、またユーザー同士の利害が一致しないことも多いため、打ち手がどっちつかずになってしまいネットワーク効果を最大限に活かすことができません。

口コミサービスに絞ったRetty、店舗向けサービスに絞ったエキテンは伸びましたが、30min.は成長して利益も出せるようになったものの、単独での上場は見込めないサービスに留まりました。

次に手掛ける事業ではシンプルな戦略で、最大限にネットワーク効果を活かせるようにしたいと心に刻んでいます。

サービス名はわかりやすく

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30min.は何て読むの?サンジュウミニッツ、サーティーミニッツなど色々と間違われました。

インターネットサービスのサービス名は、検索のしやすさやユーザー間での伝わりやすさを考えて、わかりやすく誤読されないものが良いと思います。

価格コムもCOREPRICEから価格コムに変更しましたし、食べログもtabelogから食べログに、サイタもCytaからサイタへ表記を変更しました。

ということで、次に立ち上げるサービスはわかりやすいサービス名にしようと思います。

証明されている事実

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CGMはカテゴリーを絞ることで成立するという証明されている事実があります。

上手くいっているのはグルメ、レシピ、化粧品、旅行などなど。逆に上手くいっていない典型は、地域情報の口コミサイト。カテゴリーが絞られていないことで、コミュニティが活性化しないことが原因です。

上手くいっていないからこそ成り立たせてみたいと考えた僕は、難しいよというVCの方のアドバイスを無視して、30min.でそんな無謀なことにチャレンジしました。

結果どうなったかと言うと、地域情報の口コミサイトとしては花開かず、iPhone発売と同時期にグルメに絞ったアプリを提供することで脚光を浴び、ユーザー数を伸ばしました。

しかし、ここからの戦略がまずかった。iPhone発売から半年ほど経過して、競合のグルメアプリが登場し始めた際に、差別化を図るためにカテゴリーを増やして地域情報の口コミアプリへと変更してしまったのです。

その後、サービスの方向性が定まらず迷走を続けましたが、NAVERまとめがユーザー数を伸ばしている事実に注目し、まっぷるのようなおでかけ雑誌をWEB化するという戦略に切り替え、最終的にはいわゆるキュレーションサイトとして伸ばすことができました。

グルメ口コミサービスは食べログ、キュレーションサイトはNAVERまとめによって成立することが証明されている事実。証明されている事実をベースにチャレンジすることが、成功確率を上げるということが身に沁みた体験でした。

ネット専業不動産仲介サービス「ヘヤジンプライム」

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HEYAZINEを運営するイタンジさんが、ネット専業の不動産仲介サービス「ヘヤジンプライム」を開始されました。

ネット専業で店舗を持たないことで仲介コストを抑え、仲介手数料の完全無料を実現されています。
また、内見の際に店舗に出向く必要がなく、現地待ち合わせに対応してもらえる他、3,000円を払えば契約手続きを出張対応してもらうこともできます。

まさに、不動産紹介サービスでは無く、宅地建物取引業免許を取得した不動産仲介会社だからこそ実現できる素晴らしいサービスだと思います。
免許の取得、物件の仕入れといった不動産業界経験に加えて、Webサービスの運営ノウハウがあるからこそ実現できるサービスで、不動産業界経験者に対しても、Webサービス運営経験者に対しても参入障壁が築けているのではないでしょうか。

Webサービスも情報の掲載だけでは差別化できなくなってきているため、今後リアルなサービスそのものを提供していく動きが加速していくように思います。

飲食店の当日予約サービス「スマート予約」

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飲食店の当日予約サービス、スマート予約に注目しています。

実はTwilioの日本でのサービス開始にあたり、自分の代わりに自動音声でお店に電話予約してくれるサービスを企画し、今年の3月にテストアプリを開発して、知り合いのお店で試していました。

Skyland Venturesさん主催のMORNING SPRINT STARTUP PITCHでスマート予約のプレゼンを聞いた時に、同じようなことを考える人がいるものだと衝撃を受けた記憶があります。当時スマート予約はTwilioを利用する企画でしたが、現在は実際に電話をかけるサービスへとブラッシュアップされています。

ところで、何故スマート予約に注目しているかと言うと、宴会用のお店を探すぐるなび、美味しいお店を探す食べログでは拾いきれていない、当日の飲み会予約ニーズを満たすことができるからです。
食べログも当日予約を強化されていますが、お店探しは行う必要があり、スマート予約はお店探しのステップを無くすことで大きなアドバンテージを確保しています。

また、当日の空き状況を把握できるようになれば、ADネットワーク同様にネットワーク効果が働き、競合からリプレイスされにくい強固なビジネスモデルを構築出来るように思います。

アフィエイトASPやADネットワークのビジネスモデルは強固で、どうすればWebサービスだけでなく、リアルなサービスに適用していけるのか?を考えてきましたが、スマート予約はその1つの答えのように思います。

サービス業のEC化

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今、世界的にサービス業のEC化が進みつつあります。
背景として、ネットでモノを買えることが当たり前になったことで、サービス業もネットで注文したい人が増えているのだと思います。

海外では、AirbnbやUberなどC2C型のECが急成長しています。
既存の事業者が提供しているサービスに不満を抱えているような分野で、C2C型にすることでサービスレベルを上げ、場合によっては低価格でサービスを提供していることが伸びる要因になっています。

同じC2C型のECでも、美容師や自動車修理などの分野では、StyleSeat、YourMechanicのようにプロフェッショナルな個人が参加しています。

C2C型のECが伸びる背景としては、スマートフォンの普及に伴って、個人間の連絡が取りやすくなったことが大きいと思います。

日本はどういう状況かと言うと、まず食べログやホットペッパービューティーなどの大手ネットサービスでのネット予約導入が進んでいます。
また、ドミノピザや日本交通タクシー配車など、大手チェーンでネット予約が採用されています。

しかしながら、C2C型はあまりありません。
これは、海外と違って個人でビジネスをする商習慣が、あまり無いからだと思います。

日本でのサービス業のEC化は下記のパターンに大別できます。

1.既存事業者の比較・一括見積もりサービス
食べログ、ホットペッパービューティー、relux、ホームプロ、くらしのマーケット

2.C2C型(個人の遊休資産を活用したサービス)
弁護士ドットコム、Cyta、ストリートアカデミー

3.既存事業者の遊休資産を活用したサービス
ごちクル、ラクスル、リネット、小さなお葬式、リノコ、あきっぱ!、スペースマーケット、オープンロジ

4.自社スタッフで業務を行うリアルサービス業
bento.jp、HEYAZINE

1はSEOやソーシャルを活用した集客がポイントになります。SEOは寡占状況ですが、ソーシャルでの集客には余地があります。
2は仕業や講師を除いては日本では成立しにくいと思われるため、なかなか難しそうです。
3や4は、実質的に既存のサービス業をリプレイスしていくことになるため、今後伸びるのではないかと思います。

HEYAZINEが仲介業務を開始されていました

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管理会社・元付け会社物件の仲介サイト、HEYAZINEが10/6から仲介業務を開始されたようです。

不動産の分野に限らず店舗や施設の情報を紹介するWebサービスは飽和状態なこと、リアルな業種がネット利用者のニーズに応えられていないことから、ネット企業がリアルな業種そのものを手掛けてしまう動きがここ数年世界的に進んでいます。

例えば、UBERはタクシー業、Airbnbはホテル業、Taskrabbitは家事代行業を、余剰リソースをクラウド化して活用することで、ネット利用者のニーズにマッチしたサービスを実現しています。

賃貸物件探しにおいても、すぐ近くの物件を内見したいだけなのに店舗に出向く必要があるなど、契約以外のやり取りはネットで完結したいネット利用者のニーズを捉えられていない不動産屋さんが多く、ネット利用者に最適化したサービスを提供する価値は大きいと思われます。

物流アウトソーシングOPENLOGI(オープンロジ)

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今後EC化が進む中で物流の利用者は増えていくことは必然です。

しかしながら、単に配送だけなら宅急便へ集荷依頼をすれば問題ないですが、倉庫に在庫を保管してもらうとなると、導入に手間もコストもかかります。

そんななか、最短2分で利用開始でき、シンプルな料金体系、WEB上で全ての作業が完結する、物流のソフトウエア化とも呼べるサービス、オープンロジが立ち上がりました。

実際、私も@cosmeにて物流の導入を進めた経験がありますが、倉庫の選定や作業状況の確認などに手間がかかり、在庫量の拡大に伴うスペース確保などに予想以上にコストがかかった経験があります。

EC化という世の中の流れに乗っていること、物流は大きなマーケットであること、ソフトウェア化により改善の余地があることなど、成功する要素が高い事業だと思います。