ネット起業家必読!-「シリコンバレー精神」 梅田望夫著

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「ウェブ進化論」で有名な梅田望夫さんの、
1996年から2001年にかけてのシリコンバレー体験記。
ITインフラでは日本や韓国に劣るにもかかわらず
インターネット業界をリードし続けるシリコンバレー企業、
世界一のITインフラを持ちながらシリコンバレー企業の後追いをする日本企業、
魅力的な日本市場へ次々と乗り込んでくる中国や韓国の企業。
インターネット業界において、日本はやられっぱなしだ。
そして、言語圏の狭さから、今後も不利が予想されるという。
このままではまずい!世界と勝負するためにはどうすればいいのか?
という思いが加速し、遅ればせながら手に取った。
起業を支える圧倒的な社会インフラを背景に、
世界の英知を呼び寄せ、イノベーションを起こし続けるシリコンバレー企業、
皮肉にも、自国の市場が大きいために、シリコンバレーで挑戦しなかった日本人と、
そのためにシリコンバレーの後追いとなってしまっている日本企業、
シリコンバレーでの経験を踏まえて(未来から過去へのタイムマシンに乗って)、
自国で立ち上げられた中国の巨大企業という構図を改めて理解することができた。
この状況を踏まえ、日本人や日本企業はどうすればいいのか?
腕に覚えのあるエンジニアの方は、
インフォテリアUSAの江島社長のように、
シリコンバレーで真っ向勝負するのもありかもしれない。
個人的には、テクノロジードリブンなシリコンバレー企業に対し、
お家芸のコンテンツプロデュース力で勝負したり、
Webとモバイルの強力なITインフラを背景としたサービス開発を模索する方が、
より組織的に勝負できる気がしているし、自ら実践したいと思う。
いずれにせよ、一度シリコンバレー行ってみないとお話にならないな。
早々に渡米を模索しよう。
あと、中国や韓国にも行かないと。
さあ、面白くなってきたぞ!
その他心に残ったフレーズ。
シリコンバレーの流儀とは、

第一に、事業の成功・失敗はあくまでもビジネスというルールのある世界でのゲームで、
それを絶対に人生に反映させないこと。
第二に、事業とは「失敗するのが普通、成功したら凄いぞ」という
ある種「いい加減な」遊び感覚を心の底から持つこと。
「成功するのが当たり前、失敗したら終わり」という「まじめ」発想を
一掃しなければならない。
第三に、失敗したときに、「投資家や従業員や取引先といった関係者に迷惑がかかる」
という考えを捨てること。
皆、自己責任の原則で集まってきているのだと、
自分勝手に都合よく思い込まなければならない。

「シリコンバレー精神」を最もよくあらわす言葉は、

・マドル・スルー…困難に立ち向かう状態を楽しめる、好きで好きで仕方ない境地
・テネーシャネス…絶対にギブアップしない執拗さ

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