人の心をつかむ力を身につける

標準

「日経ビジネスオンライン」から。
この連載すごくいいです。

 人間は、自分を分かってくれる相手に好意を持ちます。人の心をつかむにはまず、相手の置かれている状況を知ることです。そして何を望んでいるのか、あるいは何を不満に思っているのかを察し、それを満たしてやることです。
 満たすことまでできない場合は、せめて気持ちを1つにし、よく話を聞いてあげましょう。満たしてやれなくて申し訳ないという気持ちで接し、不満や悩みを吐き出させて、少しでも楽になれるように手を貸してあげるのです。
 また人間は、自分の働きを認めてくれた相手に対して心を開きます。いいアイデアを出した時、成果を上げた時には、大いにほめましょう。それが相手の励みとなり、自信となって、さらにいい結果を生むことでしょう。
 十分な報酬を与えることも大切です。ナポレオンは、やがて、
 「人間を動かす原動力の1つは、金銭だ」
 と言うようになりますが、これは極端な結論であるにしても、ある種の人々に対しては確かにそうかもしれないという気がします。
 また苦労を嫌がったり、避けようとしないことです。大変なことは、自分が率先して手をつけるくらいの意気ごみでいれば、周りは必ず見ています。きっと評価されるでしょう。
 このほかにも、人の心をつかむポイントはいくつもあると思いますが、一番の基本は、やはり人間というものを愛する気持ちでしょうか。
 人間は、どんなに頑張っていても必ず、いつかは死んでしまう存在です。物質的な財産を相続することはできても、もっとも大きな財産である精神的蓄積を継承することはなかなかできません。
 だから種族として、同じ間違いをくりかえしてきたわけです。
 哀れで愚かな存在である人間を、攻撃したり批判したりするのはごく簡単なこと。子供にもできます。それをせず、温かい目を向け、優しい気持ちで接し、細かな気配りをすること。
 そういう姿勢から、人の心をつかむ力が生まれてくるでしょう。

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